減少傾向が一転し、男女ともに感染者数が再び増加傾向に転じた梅毒に注意

皮膚や粘膜の傷からトレポネーマ・パリダムと呼ばれる螺旋状の細菌が侵入し、さまざまな全身症状を引き起こす慢性の感染症です。日本国内における梅毒の感染者数は1955年以降減少の一途を辿り、「過去の病気」として扱われていましたが、近年は若い世代を中心に患者数の増加がみられており、厚生労働省は注意喚起を行っています。

先天性梅毒の感染経路は梅毒に罹っている妊婦から妊娠10~15週後に胎盤を介して胎児に感染する「垂直感染」で、後天性梅毒はセックスによる接触感染となっています。

先天性梅毒の症状は、梅毒疹や鼻炎、骨軟骨炎、ハッチソン徴候(角膜炎、難聴など)などが現れますが、感染した胎児の多くは死産となります。後天性梅毒は感染後の期間と臨床症状により第1期から第4期に大別されます。

第1期(感染後約3ヶ月まで)は、約3週間の潜伏期間後に陰茎や外陰部などに無痛性のしこりができ、次第に潰瘍化していきます。また鼠径部リンパ節が腫れます。第2期(感染後約3ヶ月から約3年まで)は、血流を介して梅毒が拡散し、皮膚に痒みのないバラ疹、丘疹が現れ、外陰部には扁平コンジローム、毛髪の脱毛などがみられます。第3期(感染後約3年から約10年まで)は、暗褐色の結節性梅毒疹が現れます。第4期(感染後約10年以降)になると心血管系や中枢神経形に病変が現れます。

梅毒の治療には、ベンジルペニシリン、合成ペニシリンが使用されますが、ペニシリンに対してアレルギーのある患者にはミノサイクリン、妊婦にはアセチルスピラマイシンの抗菌薬が有効です。