妊娠中のトラブルを予防・早期発見するためには定期的な妊婦健診の受診が重要

不快な症状は産科医に相談しましょう

食事が手に付かず、水分を補給しても吐き出してしまい、栄養障害や脱水症状をきたすほどの病的なつわりを「妊娠悪阻」といいます。早期に入院治療で2集会程度で回復しますが、入院の必要があるほど症状の重いつわりを経験する人は近年、大きく減少しています。

つわりの悪化には、心理的な要因によるところが少なくなく、核家族化で嫁姑同居が減って、ストレスに感じることが無くなったことも、病的なつわりが減少していることに関係しているかもしれません。

お産を取り巻く医療環境は日進月歩の感がありますが、職場で責任あるポジションを任させる女性も増えた現在は、妊娠中もぎりぎりまで出勤する方が少なくないため、切迫流産の発症率はあまり減っていません。妊娠初期に、月経時と同じくらいの量の出血と強い下腹部痛があった場合は、流産が進行している危険サインですので、早急に産婦人科を受診しましょう。超音波診断によって早期の対策や処置が可能ですので、早めの受診で流産の予防ができます。

流産を妊娠初期(22週まで)とすれば、早産は妊娠23週~36週までにお産になってしまうものです。赤ちゃんは未熟児の状態で生まれてくるため、新生児医療が充実している医療機関へ母子ともに入院する必要があります。早産の初期症状は、軽い子宮萎縮で、期間が長くなり、繰り返すようになったら危険サインですので、入院したほうが母子ともに安全です。

正常な妊娠は、受精卵が子宮腔内に着床することで発育します。しかし、何らかの原因によって子宮以外に着床したものが、「子宮外妊娠」と呼ばれる状態で、その多くは卵管内に着床しています。一昔前、妊婦死亡の原因の上位に子宮外妊娠がいましたが、超音波検査で早期診断が可能になった現在は最悪の事態に陥ることはほぼなくなりました。子宮外妊娠の初期症状は、少量の出血と、鈍い下腹部痛です。妊娠6週頃に発見できれば、内視鏡や薬による処置が可能となっています。

妊娠中毒症は、重症になるとけいれん発作や肺水腫、脳出血、腎不全などで、妊婦の生命にかかわる病気です。妊娠中毒症になると、そうでない妊婦さんと比べて、早産、未熟児、新生児志望などのリスクが2~3倍高くなるとされています。妊娠中毒症の三大症状は、高血圧、むくみ、タンパク尿の3つとなっており、妊婦健診でもチェックを行いますから、定期健診を受けていれば重症化することはありません。実際、重度の妊娠中毒症で救急搬送される妊婦のほとんどは、定期健診を受けていない人です。

妊娠中毒症の原因として考えられるのは、妊娠によって、全身の血管系や腎臓の負担が大きくなるため、元々血管系や腎臓に疾患を抱えている人や、双子などで、妊娠による負担が大きい人が受ける現象ということです。したがって、以前に腎炎を発症したことのある人、高血圧だった人は、妊娠中毒症にかかるリスクも高まります。

貧血も妊婦さんに多くが経験する不快な症状です。妊娠すると血液の量は次第に増えていきますが、ヘモグロビンの量は同等に増えないので、血が薄くなることで貧血を起こすのです。定期的な健診では、妊娠初期、中期、末期に貧血の検査があるので、必ず受けましょう。妊婦貧血の場合は、あまり自覚症状がないので、立ちくらみや、顔面蒼白、眼の結膜や爪が白っぽくなるなどの自覚症状が現れたときは、かなりの貧血といえます。

妊娠中の貧血は鉄剤で治療しますが、専門の産科医が処方しているにもかかわらず、胎児へ悪影響があるのではないかと自己判断視して、鉄剤を飲まない人も少なくないようです。鉄剤の胎児に対する悪影響は全くありませんので、医師の指示通り服用しましょう。貧血の原因は鉄不足とハッキリしているので、レバー、肉類、煮干、海草などの鉄分の豊富な食品ととりましょう。鉄分の吸収を助けるビタミンCの多い食品と一緒に摂ると効果的です。