日本国内におけるB型肝炎ウイルスのキャリアは約150万人と推定されています

最終的には肝臓がんを発症

HBV(Hepatitis B Virus:B型肝炎ウイルス)の感染に起因する肝臓の病気です。HBVの感染者数は全世界で約20億人、体内にHBVを保有するものの発病していない「キャリア」は約3億5000万人いるとされ、その2/3が集中している東南アジアでは多数の死亡者が出ています。

日本国内におけるHBVのキャリアは150万人ほど存在するとされ、医療衛生が徹底されていなかった戦後に行われた幼児期の集団予防接種で汚染された注射器を使い回ししたために感染した人が1/3くらいを占めていると言われています。

患者、キャリアの血液や体液がセックスを介して移ったり、輸血や医療事故などによる医原性感染、薬物乱用などによる注射器や針の使い回しが感染経路となります。

輸血血液の検査方法が発達し僅かな汚染も高感度に発見することが可能となった近年、日本国内で輸血後感染のリスクはほぼなくなりました。またB型肝炎母子感染防止事業によって、HBVマーカー陽性の妊婦から生まれた新生児にグロブリンとワクチンを投与してキャリア防止の対策がとられています。

HBVの感染には一過性感染と持続性感染があります。一過性感染は、HBVに感染した人の免疫機能が正常に働いている場合で、細胞性免疫反応によってHBVは排除されます。約20%の人が急性肝炎となります。全身倦怠感や発熱、食欲不振、吐き気、褐色尿、黄疸などの症状が現れます。急性肝炎の患者の2%は重い肝障害を起こす劇症肝炎となり、うち70%は死に至ります。

持続性感染は、免疫機能が発達していない新生児や乳児、免疫機能が低下している成人にHBVが感染した場合で、免疫反応によってHBVを排除することができないため、感細胞内で増殖します。HBVキャリアとなった感染者の、10~15%は長い年月をかけて慢性肝炎から肝硬変、肝臓がんへと進行していきます。

急性肝炎を発症した場合、治療の基本は対症療法となります。慢性肝炎の治療はラミブジンの投与による抗ウイルス療法、インターフェロン(IFN)療法、副腎皮質ステロイドホルモンによる免疫療法などがあります。予防にはB型肝炎ワクチンが有効です。