おりものの量や色、臭いは年齢や性周期による個人差があります

女性の誰もが一度は悩むはず

男性に比べて女性の性器の構造は複雑になっていますが、表面は粘膜で覆われており、生理的に少量の分泌物で、濡れたようになっています。これらが外に排出されたものが「おりもの(帯下)」で、その量や色、においなどは個人の年齢、性周期によって大きく変化します。おりものの感じ方にも個人差があり、量が多いときになる人でも、実際に婦人科の医師が調べてみると、全く異常でないこともあれば、周囲がただれて、下着が汚れても、ほとんど期にしない人もいます。

最近の若い人は、おりものだけでなく、体の臭いに対して非常に敏感な人が多く、「おりものが人よりも臭いのではないか?」、「彼氏も本当は気付いているかもしれない」と心配な方も少なくないようです。ほとんどのケースにおいて、本人が気にするほど臭いはきつくありません。

健康な人でも、膣からのおりものがあります。膣はひだの多い粘膜からできていて、その表面からは古くなった細胞が絶えず剥がれ落ちてきます。皮膚をゴシゴシと手で擦れば、垢が出てくるのと同様に、細胞も徐々に新しいものに置き換えられることによって、健康な粘膜の状態が保たれるのです。これには、女性ホルモンが深く関係してます。

これらの細胞には、グリコーゲンが含まれていて、膣の中で分解され、ブドウ糖に変化します。ブドウ糖は更に、膣の中にいるデーデルライン棹菌によって、乳酸となるため、膣の中は、酸性になっているのです。膣は尿道と肛門の近くにあるため、汚れやすく、大腸菌をはじめとするさまざまな菌が入りやすい環境にありますが、酸性が保たれていることによって、有害な菌は殺菌され、内部は清潔の状態にあるのです。

正常なおりものの目安としては、白く、薄い、糊状またはクリーム状で、下着に付着して、渇けば淡い黄色か褐色になっています。では異常なおりものとはどういうものなのでしょうか?いくつか具体的な例を見てみましょう。

膿のようなおりものが出ることがありますが、顕微鏡で、原因菌が見つからない場合には、非特異性膣炎と診断されます。これは、月経中、排尿・排便後の不潔な処置によって起きるものです。「そんなことありえない!」と思うかもしれませんが、不潔な指で挿入したタンポンやコンドームなどをそのまま置忘れたことが、原因の場合も少なくありません。

卵巣の働きが低下する年齢になると、性器は萎縮してきます。そうなると膣の粘膜は薄いため、ちょっとした刺激で傷がつきやすくなります。さらさらした黄色から、薄い赤色のおりもので、少量の血が混じったり、性交痛があるときは、萎縮性膣炎が疑われます。少量の女性ホルモン剤の内服やクリーム、膣錠で治療できます。

ヨーグルト状、酒かす状のおりものがあって、外陰部に強い痒みがある場合にはカンジダ膣炎が疑われます。カンジダはカビの一種ですが、主にセックスによって感染します。カンジダ膣炎は膣錠、あるいは軟膏の治療によって1~2週間で治りますが、体の抵抗力が落ちた頃に再発しやすいのが特徴です。

おりものの量が多く、黄緑色をしており、泡立ちと悪臭がある場合にはトリコモナス膣炎が疑われます。これはトリコモナスという小さな虫(原虫)の寄生が原因です。トリコモナス原虫は、膣内だけでなく、膀胱や尿道、子宮頚管などにも潜んでいることがあります。